2017 年 73 巻 2 号 p. I_1519-I_1524
著者らが考案した安価でかつ簡単に設置できる想定津波浸水深表示シールの貼付を,津田中学生と一緒に徳島市津田・新浜地区内の住宅や店舗を訪問し,依頼したところ,8割以上の方々(108人)に協力頂けた.津田中学校保護者を対象に,津波シールの啓発効果をCAUSEモデル法で評価した結果,「リスク・行動の理解」に加え「行動を進める」効果もあることがわかった.同様に,著者らが考案したKMマップ法でも評価したところ,従来のリスクの「理解」→「行動」への過程でない,「行動」の後に「理解」を深める人(とりあえず“やっておこう”)が多いことがわかった.この“やっておこう”という人の特徴をアンケート結果から解析すると,「中学生に対する責任」を強く感じていることが示唆された.つまり,津田中学生の地域防災活動が,当地区の住民の防災対策を促しているようである.