土木学会論文集B2(海岸工学)
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論文
北海道沿岸部における上部フレア護岸の適用
荻野 啓村上 啓介神田 直美安藤 圭田中 敦
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2017 年 73 巻 2 号 p. I_853-I_858

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抄録

 上部フレア護岸は,前面を特殊な曲面形状とした防波護岸であり,作用した波を沖に返すことで背後地の越波流量を低減する.高潮対策において,背後に民有地や道路を有する既設護岸上など,様々な場所に適用が可能である.本研究では,上部フレア護岸を北海道沿岸部に適用するにあたり,強風を伴う高潮波浪が発生する条件下を想定し,風作用下での越波流量測定実験を実施して,他の従来工法と比較した.その結果,上部フレア護岸の越波流量は,他工法より優れた越波抑制効果を示し,風作用下においても,前面の基部に台形状に設けた消波工によって,護岸背後の越波流量を低減できる傾向を示した.また,上部フレア護岸の上面先端に直立パラペットを設けることにより,更に越波による影響が低減できることが示された.

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