抄録
国道231号石狩市浜益地区の海岸道路では,高波による通行障害が多発していたことから,車両の安全通行を目的として,消波護岸の背後に防波フェンスを設置することが計画された.まず現地において越波飛沫の打ち上げ高さの観測を行い,10年確率波に対して1/20最大打ち上げ高さを用いて,防波フェンスの必要高さを決定した.さらに縮尺1/40で2次元水理模型実験を行って,設計波である50年確率波に対して, 防波フェンスに働く波圧分布を求め,それをもとに各諸元を決定した.防波フェンスの設置後,2015年10月には設計波に相当する波浪が来襲した.その後の調査によって,防波フェンスには変状が生じていないことから,現地条件に対する設計手法の妥当性が明らかとなった.