抄録
本研究では,揺動する固体周りに形成される流体運動及び自由水面の変動を高い精度で計算できる手法を提案し,その妥当性を示した.そのうえで,本手法を用いることによって,矩形容器内のスロッシングによる水面変動量の計算結果が,解析解に良く一致することが確認された.また,一方向定常流中に固定された水平円柱の後流域における時間平均流速の分布およびStrouhal numberの計算結果が,既往の実験結果を良好に再現できることが確認された.さらに,水平振動する鉛直円柱近傍に生成する渦構造の計算結果(Keulegan-Carpenter number=9,Reynolds number=1,000)が,Inclined-vortex streetを再現できていることが確認された.