2018 年 74 巻 2 号 p. I_367-I_372
2011年の東北津波では漂流物同士が衝突や接触をしながら建物や構造物に衝突する様子が確認されている.漂流物の衝突は津波による被害の拡大の要因となり,建物や構造物の被害の予測や評価には,浸水深のみではなく漂流物の影響を考慮する必要がある.本研究では,複数の津波漂流物が互いに衝突・接触しながら構造物に衝突する力を,水理模型実験および漂流物の数値シミュレーションにより求めた.大きさや形の異なる漂流物が構造物付近に複数ある場合における漂流物の衝突の特性を考察した.本研究で用いた2次元浅水長波モデルと個別要素法による漂流物数値モデルにより,漂流物が複数配置された場合の津波波力および漂流物の衝突力が算定できることが分かった.