土木学会論文集B2(海岸工学)
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論文
非構造格子海洋流動モデルFVCOMによる伊勢湾湾奥部の高潮浸水計算
川崎 浩司二村 昌樹村上 智一下川 信也尼子 順子
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2019 年 75 巻 2 号 p. I_223-I_228

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抄録

 本研究では非構造格子に基づく海洋流動モデルFVCOMを用いて,伊勢湾湾奥部を対象とする高潮浸水計算を実施した.台風条件は,①1959年伊勢湾台風,②IPCCのA1Bシナリオに基づく将来気候下の可能最大級台風の2つである.伊勢湾台風による高潮計算では,名古屋港の潮位偏差を良好に再現できることを検証した.また,伊勢湾台風を契機に整備された海岸構造物により,伊勢湾台風規模の高潮はほぼ防護できることを確認した.次に,将来気候下の可能最大級台風による高潮浸水計算を実施し,浸水過程および高潮防護施設の減災効果について検討した.また,構造格子モデルによる既往の計算結果との比較から,構造物の取り扱いなど非構造格子モデルの特徴について確認した.

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© 2019 公益社団法人 土木学会
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