土木学会論文集B2(海岸工学)
Online ISSN : 1883-8944
Print ISSN : 1884-2399
ISSN-L : 1883-8944
論文
陰的弾性構造解析手法を用いた完全Lagrange型流体-構造連成解析に関する基礎的研究
清水 裕真Abbas KHAYYER後藤 仁志
著者情報
ジャーナル フリー

2019 年 75 巻 2 号 p. I_799-I_804

詳細
抄録

 津波や高潮襲来時の流体力による構造物の変形や破壊,タンク内液体のスロッシング現象や船舶のスラミング現象など,流体-構造連成問題(FSI問題)は海岸工学分野に関わるものが多いが,その対策の検討には数値波動水槽の活用が有用である.粒子法は完全Lagrange型数値解析手法の一つであり,大変形を伴う界面の取り扱いに優れる.その特性を活かし,近年様々な完全Lagrange型構造解析モデルおよびFSIソルバーが開発されてきた.しかしながら,これまでに提案された手法はそのほとんどが構造解析に陽解法型のアルゴリズムを用いているため,高Young率構造物の動的解析には極めて微小な時間刻み幅が必要となり,計算コストの増大および連成解析時における流体との時間刻み幅の差異が問題となる.そこで本研究では,高次の時間発展スキームに基づいて導出した陰解法型完全Lagrange型構造解析手法を開発し,非圧縮性流体と高Young率弾性構造物のFSI解析を通して提案手法の検証を行う.

著者関連情報
© 2019 公益社団法人 土木学会
前の記事 次の記事
feedback
Top