土木学会論文集B2(海岸工学)
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論文
畳み込みニューラルネットワークによる台風気象場を用いた高潮の時系列予測と長期評価
荒木 裕次安田 誠宏Adrean WEBB森 信人
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2020 年 76 巻 2 号 p. I_1093-I_1098

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抄録

 高潮の長期評価は,気候変動に適応するための沿岸域の防災・減災の観点で重要である.長期評価を行うには大量のイベント数が不可欠だが,力学的手法では計算コストが膨大である.このため,統計的もしくは機械学習により高潮予測を行う方法が考えられる.本研究では,畳み込みニューラルネットワーク(CNN)を用いて,気象場(気圧・風速)の時空間的な情報から高潮の時系列を予測する.高潮の予測に重要な説明変数やハイパーパラメータ,学習データ数を比較し,気象の再解析データを用いて過去台風を対象にCNNの予測精度を検証した.大規模気候予測データベースを用いて,CNNによる高潮の長期評価を行った.再現期間が長くなると,現在気候下の高潮より将来気候下の高潮の方が高くなる結果が得られた.

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© 2020 公益社団法人 土木学会
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