土木学会論文集B2(海岸工学)
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論文
海底基盤データを利用した津波移動床解析の改善の試み-気仙沼湾での事例-
山下 啓菅原 大助有川 太郎高橋 智幸今村 文彦
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2020 年 76 巻 2 号 p. I_427-I_432

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抄録

 東日本大震災の大津波によって大規模侵食を受けた気仙沼湾狭窄部の地形や底質の実態を調査し,得られた海底基盤岩分布を利用して気仙沼湾における津波移動床解析の改善を試みた.震災以降,狭窄部中央の一部と南部の広いエリアで堆積が確認され,それ以外はおおよそ侵食傾向にあった.そして,全体的に硬い層が表層部に存在し,特に狭窄部東岸では礫質堆積物または基盤岩が露出していた.海底基盤岩データを導入した津波移動床解析より,狭窄部の侵食は基盤岩地形に制限されていたものの現地モデリングの再現性が向上し,流速や地形変化の過小評価を防ぐために基盤岩データの導入が重要であることがわかった.また,地質による耐侵食性を簡易的に考慮した数値解析の結果,耐侵食性の影響は小さく従来モデリングの範囲内にあると推測された.狭窄部の大規模侵食における侵食速度は,シールズ数の上昇期と定常期で異なる特性を有し,特に上昇期にはシールズ数との線形関係によって特徴づけられた.

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