2020 年 76 巻 2 号 p. I_679-I_684
東北地方太平洋沖地震に伴いS港で津波高さ9m超の来襲により荷役係留中に被災した9万DWT級大型石炭船をモデルに,段波津波が船体の横方向から作用する場合の固定模型船の波力や模型係留船の船体運動及び係留力に関する実験的検討を行った.また係留船に作用する水平波力となるSway津波波力の推定を試みた.津波が船体の横方向から作用する場合,津波高さに伴う排水量に匹敵する程の大きな波力及び係留力となることがわかった.また模型係留船の船体運動及び係留力の計測値から算出したSway波力と固定模型船のSway波力計測値の比較により,津波来襲時の衝撃的な波力など両者が類似することがわかった.