土木学会論文集B2(海岸工学)
Online ISSN : 1883-8944
Print ISSN : 1884-2399
ISSN-L : 1883-8944
論文
消波ブロック被覆堤マウンド下部の地盤侵食の時間縮尺に与える波浪場の影響
村岡 宏紀中村 友昭趙 容桓水谷 法美
著者情報
ジャーナル フリー

2020 年 76 巻 2 号 p. I_865-I_870

詳細
抄録

 消波ブロック被覆堤の被災要因の一つであるマウンド下部の砂地盤の侵食現象に関して,1/55.8スケールの小型実験と1/4スケールの大規模実験の異なる2つのスケールの水理実験を対象とした数値解析を実施し,侵食現象の時間縮尺に与えるスケールの影響を検討した.水理実験結果との比較より,小型実験では水位変動と平均流の観点から,大規模実験では流速変動の観点から,数値解析の再現性を確認した.また,小型実験では,マウンド内部の平均流がマウンド全域で沖向きになるまでと,防波堤周辺の波動場が定常状態に至るまでに要する時間が長くなり,大規模実験と比べて砂地盤の侵食を過小評価したこと,またそのために砂地盤の侵食が大規模実験と同程度の深さに至るまでに要する時間が,Froude則で換算した時間よりも長くなった可能性が示唆された.

著者関連情報
© 2020 公益社団法人 土木学会
前の記事 次の記事
feedback
Top