土木学会論文集B2(海岸工学)
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論文
アンサンブルカルマンフィルタ海洋データ同化システムの開発と瀬戸内海流動への応用
王 鴻鑫黒澤 賢太内山 雄介
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2021 年 77 巻 2 号 p. I_385-I_390

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抄録

 瀬戸内海は地形,淡水流入,黒潮流路変動に伴う通過流変動などの影響を強く受けるため,そこでの流動や水質は極めて複雑であり,通常の数値モデルによって3次元流動場を正確に表現することを困難にしている.これに対して,観測データをモデルに融合させるデータ同化(DA)は,モデルの再現性を向上させる手法として期待されている.2017年に打ち上げられた気候変動観測衛星「しきさい」(GCOM-C)により,従来は陸起源の電磁波ノイズ等による精度劣化の問題があった沿岸域において,高解像度で高精度な海面水温等の衛星データが利用可能となった.本研究では,瀬戸内海全域を対象としてEnsemble Kalman Filter法に基づくDA海洋モデルを開発し,GCOM-C観測システムがDA海洋モデルの再現性に及ぼす影響を定量的に評価するとともに,瀬戸内海流動の特性に起因する課題の整理を行った.

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© 2021 公益社団法人 土木学会
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