日本海洋学会誌
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浦底湾堆積物における放射性核種の拡散および蓄積-II
中村 清長屋 裕
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1977 年 33 巻 1 号 p. 1-5

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抄録

福井県浦底湾およびその周辺海域について, 原子力発電所由来の60Coの海底堆積物への蓄積を検討した.
海底堆積物の粒度別分画中の放射性核種の濃度分布からみて, 人工放射性核種60Co, 137Csおよび54Mnは, 主として海水中における粒子表面への吸着過程を通じて海底堆積物中に蓄積されることがわかった.
浦底湾附近の海底堆積物の60Co汚染に関して約13km2の水域を想定すると, 浦底湾は面積においては約7%をしめるに過ぎないが, 汚染の60%を保持していると考えられる. 尚, 浦底湾の外に設けた測定点における60Co/137Cs比の増加傾向からみて, 湾内の60Co汚染は徐々にその外側に拡大していることがわかった.

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