抄録
石垣島の川平湾の海水交換の強さ, および機構を調べた.
1976年, 1977年の2回の観測のどちらの場合も, 湾内への塩分輸送の大半が, いわゆる“tidal trapping effect”に依っていた. また, この地方に典型的な台風による大量の降雨の直後で, 年平均の潮汐状態で行なわれた後者の観測結果から, 外海水による川平湾内水の交換の時間スケールを意味するturnover timeが3, 6日と概算された.
これらの観測結果にもとついて, 湾口にsillのある場で, 湾内外水の密度差に起因する浮力作用と潮汐作用のcouplingによって生じる, いわゆる鉛直二次元の機構をもったtidal trappingの概念を提案した.
地形, 水文気象, 地理条件を検討して, 小潮時を除く夏季の川平湾では, 上の機構による海水交換が生じやすいと考えられた.