抄録
1976年4月と1977年7月に35°N沿いに等間隔でとられた海洋観測の資料を, 139~163°Wの深さ0~1,000mの範囲について比較した. 深さ100mに中心をもつ次表層は, 東西2,000kmにわたって連続しているのが見出された. この層内では, 1976年春に比べて1977年夏は, 水温と塩分は明らかに低く, 密度, 溶存酸素・リン酸塩・硝酸塩・ケイ酸塩の濃度は高かった. 表層50mでは, 1977年夏は1976年春よりも, 水温と塩分とは高く, 密度, 溶存酸素および栄養塩類の濃度は低かった. これらの関係は, 同じ海域の他の既存観測資料間にもみられ, 年変化によるものと結論される. 上層200m内の海洋諸特性の年変化は, 定性的には, 恒常的な海水循環の南北成分の年変化によるものとして説明できる. その原因は, 大規模な南北方向の圧力勾配 (水温の南北傾度に関して) によるものである. 観測結果は, 海面近くでは北向きの流れ, 100m付近では南向きの流れが存在し, ともに冬 (春) より夏に速くなるという解釈と矛盾しない.