潮流成分(日周潮・半日周潮流)が除去された津軽暖流の流量を求めるため, 津軽海峡西口において, ADCP(Acoustic Doppler Current Profiler)を用いた4往復観測を1993年11月から季節毎に22回行った。調査より得られた津軽暖流の平均流量は約1.5Sv(1Sv=106m3s<-1>)であった。津軽暖流の日平均流量(Q:Sv)と深浦と函館の水位差(Δη:cm)との相関関係から,以下に示す回帰式が得られた。Q=0.0271Δη+0.933上記の回帰式と深浦と函館の水位差を用いて1959年以降の津軽暖流流量を推定した。流量は10年規模の長周期で変動する傾向にあった。また,流量の季節変動幅が約0.3Sv,経年変動幅が約0.3Svと両者はほぼ同じであった。