海の研究
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海底熱水活動地帯の化学環境を明らかにする試み(地球化学, <特集>海底熱水系における生物・地質の相互作用)
石橋 純一郎中村 光一岡村 慶下島 公紀土岐 知弘角皆 潤
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2005 年 14 巻 2 号 p. 251-266

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抄録

海底熱水活動地帯は高温で還元的な熱水と低温で酸化的な海水が混合する場である。熱水活動地帯の生態系機能を研究するうえで, 場所ごとに化学環境を明らかにしていくことは, 最も基本的な解析手法となる。近年, このような目的を目指した試料採取法の工夫がさかんに行なわれている。また, 試料採取と分析に頼る従来の研究を打破する手法として, 現場化学分析や化学センサーなどの技術を深海底で実用化して, さらに連続観測を行なうことも試みられている。アーキアン・パーク計画では, 化学環境の時空間変動を明らかにすることを目的として, 新しい発想に基づく様々な機器が開発されてきた。その結果, 水曜海山で行なわれた一連の研究から, この熱水地帯の化学環境がこの海域特有の強い底層流の時間変動と相関を持って変動していたことが示された。

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