2001 年 27 巻 5 号 p. 599-603
ベンゾ(a)ピレン[B(a)P]汚染土壌のエタノール洗浄液(初期濃度=62.3—108.5mgL-1)の浄化方法として,ハイブリット処理(いわゆる,フェントン酸化一生物処理)を検討した.99.8%以上のB(a)Pがフェントン酸化により類似1次反応に従い分解された.GC-MSやHPLC-UV分析を行った結果,B(a)Pの分解生成物として,B(a)Pよりも毒性が低いB(a)P-1,6-ジオン,B(a)P-3,6-ジオン,B(a)P-6,12-ジオンが確認された.フェントン酸化後のB(a)P-1,6-ジオン,B(a)P-3,6-ジオン,:B(a)P-6,12-ジオンは,B(a)Pよりも容易に生分解されることも明らかとなり,ハイブリット処理がエタノール洗浄液中のB(a)P除去に適用可能であることが示唆された.