2001 年 27 巻 6 号 p. 719-723
メソ多孔性シリカであるFSM-16の骨格にA1を導入したAl-FSM-16,およびシリル化処理を施したTMS中FSM-16を調製し,その細孔構造と吸着特性について,窒素および二酸化炭素をプローブ分子として検討した.Al-FSM-16の比表面積は470m2・g-1,FSM-16にくらべ半分程度となったが,二酸化炭素と窒素との混合気体を吸着させると,0.2~0.3MPaの圧力領域で,二酸化炭素の分離係数がFSM-16にくらべ2倍以上大きくなった.これは,Al導入にともない負電荷を補償するために存在するNa+へ,二酸化炭素が選択的に吸着したためである.FSM中16のシリル化では,メソ孔内表面の82%がTMS基により被覆され,細孔径が2.8nmから2.3nmへ減少した.TMS中FSM-16への二酸化炭素の吸着量は,FSM-16にくらべ,自由Si0H基がシリル化により減少したため,吸着温度273Kで半分程度となった.