化学工学論文集
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[特集] 液相系における構造形成と機能化
水溶性高分子存在下でのメソポーラスチタニアの調製
河井 美典三宅 義和
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2001 年 27 巻 6 号 p. 724-729

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抄録

チタニウムテトライソプロポキシド(TTIP)を塩酸水溶液中に溶解させ,透明なチタニアゾルを調整した.この溶液と水溶性高分子溶液を混合し,60℃で24時間熟成することによりチタニア粉末を調製した.
アニオン性高分子ポリアクリル酸(PAA)添加系では,PAAおよびTTIP濃度に依存して,ゾル状態または溶液全体がゲル状態となった.熟成によってゾル状態では白色沈殿が生成し,一方,ゲル状態では溶液全体が白濁した.この沈殿物およびゲルを焼成することにより白色のチタニア粉末が得られた.この粉末はアナターゼ型であり,100m2/g以上の高比表面積のメソポーラスチタニアが得られた.ゲル状態を経て得られたチタニアはゾル状態を経て得られたチタニアと比べて細孔径分布がシャープであった.またゲル状態およびゾル状態を経て,得られた粉末チタニアのXRDパターンの低角領域にピークが見られ,規則的なナノ構造体が形成されていることが示唆され,焼成後もその規則構造は保たれていた.
ポリエチレングリコール(PEG)添加系では溶液のゲル化は見られず,結晶はPEG濃度の増大と共にルチル型となり,比表面積,細孔容積も減少した.また,細孔径分布もPAA添加系に比べてブロードであった.

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© 2001 公益社団法人 化学工学会
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