化学工学論文集
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安全,環境,エネルギー
リン酸形燃料電池におけるセル内リン酸量とセル電圧との関係
瀬谷 彰利只野 一郎
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2001 年 27 巻 6 号 p. 765-770

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抄録

リン酸形燃料電池は,発電により蒸発するリン酸を補う余剰リン酸をセル内に貯蔵しており,余剰リン酸は,発電中に燃料極側へ偏在している.この余剰リン酸は,燃料極のリブつきプレートと基材の毛細管力が等しくなるように両部材間で分布する.燃料極基材中の余剰リン酸体積がその空孔の30%程度まではほとんどセル電圧に影響を与えないが,40%を越えると基材中の水素の拡散性が低下し,セル電圧に影響を与える.その場合,リン酸が基材内に無い場合の1/10程度の拡散性能であると推定された.燃料基材中のリン酸量が上述したセル電圧に影響を与えない範囲になるように,セル内余剰リン酸量を設定する必要がある.また,このような余剰リン酸量を増加させるためには,基材より大きい毛細管力分布(小さい細孔径分布)をもつ部材を燃料極のリブつきプレートに使用する必要がある.

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© 2001 公益社団法人 化学工学会
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