化学工学論文集
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安全,環境,エネルギー
燃料過濃予混合火炎中のNOx生成および水蒸気添加の影響
大野 雄輝趙 黛青山下 博史古畑 朋彦新井 紀男
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2001 年 27 巻 6 号 p. 779-785

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抄録

燃料過渡燃焼におけるNO生成および水蒸気噴射によるNO低減技術に関する研究が近年注目されているが,水蒸気添加型ガスタービン燃焼器のような水蒸気を添加した高温・高当量比(F/A)の燃焼場におけるNOの生成機構に関する検討はほとんど行われていない.本研究では,燃料過渡メタン-空気対向流予混合火炎について,詳細素反応機構を用いた数値計算によりN0生成機構の検討を行った.まず,当量比1.3および2.0の条件について,水蒸気を添加しない場合の燃焼特性を解析し,当量比がN0生成機構に与える影響を明らかにした.ついで,水蒸気添加による燃料過渡火炎中のNO生成抑制機構を解析し,燃料過渡燃焼の場合,水蒸気添加が火炎温度低下およびNO生成抑制に与える効果は当量比が大きくなるに伴い小さくなることがわかった.さらに,燃料過濃燃焼における水蒸気添加によるNO生成抑制機構として,火炎温度低下という物理的効果と添加された水蒸気との反応に起因するCHラジカルの減少によるNO生成反応の抑制という化学反応論的な効果があることを見出した.

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© 2001 公益社団法人 化学工学会
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