化学工学論文集
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環境
アルミ再生工程から排出される廃棄物を原料とするハイドロタルサイトの合成と物性評価
芝田 隼次村山 憲弘田辺 満昭山本 秀樹
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2005 年 31 巻 1 号 p. 74-79

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抄録

アルミドロスを原料として,無機陰イオン交換体の一種であり層状複水酸化物構造を有するハイドロタルサイトの合成を行った.得られた反応生成物に対して,結晶構造,表面構造,熱重量変化などの物性,pH緩衝作用,リン酸イオンの除去能力について検討した.
ハイドロタルサイトの合成は,アルミドロスおよびMgCl2含有廃液を用いてAlとMgの複水酸化物の共沈法により行った.反応生成物には少量のSiO2, Al2O3, Fe2O3などが不純物として残存していた.得られた反応生成物の層間距離は約0.3 nmであった.ハイドロタルサイトを773 Kで3 h焼成するとMg–Al酸化物に変化し,焼成後に再水和操作を行うと再びハイドロタルサイトに復元した.反応生成物の物性は,試薬から合成したものとほぼ同一であった.得られたハイドロタルサイトは,pH緩衝作用とリン酸除去能力を併せもつものであった.

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© 2005 公益社団法人 化学工学会
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