化学工学論文集
Online ISSN : 1349-9203
Print ISSN : 0386-216X
ISSN-L : 0386-216X
分離工学
ピリジン-2,6-ジカルボン酸を溶離液とした多孔質ガラス充填カラムによるニッケルとクロムの分離
藤吉 一誠
著者情報
ジャーナル 認証あり

2006 年 32 巻 4 号 p. 348-351

詳細
抄録

ピリジン-2,6-ジカルボン酸(PDCA)を用いて多孔質ガラス粉(43–74 μm)の充填カラムによるニッケルとクロムの分離実験を298 Kで行った.0.02 MのPDCA溶離液をpH 1–4の範囲で使用すると,ニッケルが吸着されないまま移動相液体とともに流出し,またクロムの保持体積がpH 2付近で極大であった.二種の金属がpH 1.3–1.7およびpH 2.5–3.7の領域においてイソクラティックにかつ完全に分離した.0.15–3.0 cm3/minの速度範囲で二種の金属の保持体積が変化しないため,送液速度を上げることにより分離時間の短縮が可能であり,溶離液として0.02 M PDCA(pH 1.5)を使用すると10分,また0.03 M PDCA(pH 3.0)を使用すると13分で分離が終了した.

著者関連情報
© 2006 公益社団法人 化学工学会
前の記事 次の記事
feedback
Top