化学工学論文集
Online ISSN : 1349-9203
Print ISSN : 0386-216X
ISSN-L : 0386-216X
反応工学
流通式超高圧水反応装置の開発
野中 利之奥野 純平相田 卓畑田 清隆鈴木 明田嶋 聖彦服部 秀雄新井 邦夫
著者情報
ジャーナル 認証あり

2006 年 32 巻 4 号 p. 356-362

詳細
抄録

超高圧(100 MPa以上)領域における超臨界水反応を実現する連続流通式システムを開発した.本システムでは,急速昇温方式が採用されており,反応溶液は旋回合流型ミキサーにて予熱水と混合し,所定の反応温度となって反応が開始する.反応器内の滞在時間は1 s以下であり,ジャケットを用いた冷却法によって反応が停止される.なお,超高圧領域におけるシステム内の圧力は,複数の背圧弁を用いることによって制御した.
本システムでは,グルコースやフルクトースなどの水溶液を523–873 K, 20–200 MPaの亜・超臨界水中にて反応させ,様々な中間体や化学製品(グリセルアルデヒド,5-ヒドロキシメチル-フルフラールや乳酸)へと変換させることが可能である.超臨界水反応における予備的な研究として,混合部の流動挙動に関する有限体積法に基づく三次元数値シミュレーションを行ない,反応管断面における温度差と経過時間の関係を示した.

著者関連情報
© 2006 公益社団法人 化学工学会
前の記事 次の記事
feedback
Top