超臨界水酸化による含窒素化合物の除去効率に関わる因子を明らかにすることを目的とし,分解対象の含窒素化合物の分子構造および添加剤としての有機化合物が与える影響を調べた.炭酸アンモニウム,尿素,およびホルムアミド系の化合物を用いて含窒素化合物の分子構造の影響を評価した結果,窒素原子に結合する炭素数が多いほど窒素除去率が向上する傾向が認められた.また,反応系にメタノールをはじめとする有機化合物を添加した場合にも同様の傾向が確認された.窒素除去率の向上は,有機物の超臨界水酸化過程で生成するラジカル種とアンモニアおよびその他の含窒素化合物との反応によるものと推定された.