一様気流中に置いた垂直平板の後流域における,局所の気流の乱れ特性と熱伝達特性の関係を実験的に考察した.垂直平板後流域では,平板背後で気流速度の小さな死空間が形成され,その上方において気流速度の増大と強い速度変動があらわれることがわかった.また,熱伝達係数は,死空間では自然対流支配のため小さな値を示すが,死空間外縁付近では気流速度の増大と強い速度変動の影響で,条件によっては平板のない条件よりも50%ほど大きな値を示すことがわかった.
以上の熱伝達係数と気流速度および速度変動の分布に関する知見を基に,垂直平板後流域の局所のヌッセルト数を一様気流中のヌッセルト数と気流速度変動によるヌッセルト数の加成性を用いて表示する実験式を提出した.