水素吸蔵合金粒子充填層を対象として熱伝導率の高い炭素繊維を用いた粒子充填層内の伝熱促進を検討した.本研究では,伝熱促進体と熱交換面との間の接触熱抵抗低減を目的として,伝熱管表面に炭素繊維の束を設置した.炭素繊維をらせん状に設置することで伝熱管周囲の有効熱伝導率の改善を図った.炭素繊維の固定方法としてアルミニウムテープを用いる場合と銀ペーストを用いる場合と2種類の方法で検討した.その結果,銀ペーストを用いることで伝熱促進体と伝熱管表面の伝熱抵抗を緩和できることがわかった.これは銀ペーストが伝熱促進体と熱交換面の間の細かい隙間に入り込み効果的に接触熱抵抗を低減した結果であると考えられる.既報の炭素繊維ブラシと比較した結果,熱交換面と伝熱促進体の接触面積が大きいため,接触熱抵抗は小さく,効果的に伝熱促進できた.