化学工学論文集
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[特集]環境・エネルギー・材料プロセスにおける熱工学の新展開
底面中心部分から加熱された竪型円筒容器内の非磁性流体の自然対流におよぼす磁気力効果
赤松 正人日向野 三雄岩本 光生尾添 紘之
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2009 年 35 巻 5 号 p. 524-531

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抄録

本研究は,従来,電磁流体力学や磁性流体力学の学問分野では研究対象外と考えられてきた空気や水のような非磁性流体を取り上げ,これら流体の熱,運動量などの移動現象を超伝導電磁石の強磁場下で発生する磁気力によって制御し得るものか検討することを目指す.そして,この成果を工学へ応用し,従来全く考えられなかったようなプロセスの創成を目指す.本論文では,熱CVD法をモデル化した幾何形状の系を取り上げ,その基礎的研究として磁気力作用下における竪型円筒容器内の非磁性流体の流動特性と熱伝達特性の三次元数値計算を試みた.なお,想定したモデル内では,自然対流,強制対流,磁気熱対流の三つの対流が共存するが,研究の第一歩として,非磁性体である常磁性流体の自然対流と磁気熱対流の二つの対流が共存する場合の各特性について調べた.数値計算の結果,自然対流と磁気熱対流の複合対流の過渡特性,定常特性および熱伝達特性は磁気力によって大きく変化することがわかった.例えば,磁場の中心が加熱面のある円筒容器底面より低い位置にあるとき,対流は促進され熱伝達も大きくなる結果が得られた.

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© 2009 公益社団法人 化学工学会
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