高濃度オゾン水によるノボラック樹脂を主成分とするフォトレジストの除去過程の機構を明らかにした上で,適度の紫外線照射が大きく除去を加速することが見いだされ,除去が二段階の化学プロセスで進むことが明らかとなった.すなわち,(1)紫外線によってオゾンが分解して生じた水酸化物ラジカルがノボラック樹脂のフェノール部を水酸化してポリフェノールに変換する.(2)親電子試薬であるオゾンに対してフェノールより著しく反応性が向上したポリフェノールは,容易にオゾンの酸化分解を受けて高効率フォトレジスト除去を達成する.一方,紫外線が強すぎると,全てのオゾンが光分解するので除去速度は落ちる結果となった.これらの実験事実に基づいてオゾン濃度と紫外線強度のバランスが除去効率を支配することが明らかとなった.