化学工学論文集
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反応工学
石炭ガス化複合発電用硫化カルボニル転化触媒の選定
吉井 泰雄穐山 徹木曽 文彦細井 紀舟光来 要三
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2010 年 36 巻 6 号 p. 566-570

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抄録

石炭ガス化複合発電システムに適用するCOS加水分解触媒を選定するために,固定層反応装置を用いて反応温度,水蒸気濃度などに対する影響を評価した.さらに常圧石炭ガス化炉の後流に水洗浄塔,およびCOS転換器を設置し,石炭ガス化ガス雰囲気下にて,空間速度,COS濃度の影響を評価した.その結果,TiO2系のCRS31触媒(Axens社製)は反応温度393 K,水分濃度2.6%でCOS転化率は0.9と高い性能を示した.CRS31触媒によるCOS加水分解速度はCOS濃度の1次に比例し,433 K,水分濃度2%のCOS加水分解反応の速度定数は3.3 s−1であった.CRS31触媒のHClに対する耐久性能はAl2O3系触媒に比べて優れている.常圧ガス化炉後流に設置したCOS転化器に実形状のCRS31触媒を充填し,H2S等を含有した多成分系のガス条件においてTiO2系触媒のCOS転化性能を評価した結果,反応温度453 K以上,滞留時間1 s以上で転化率は0.98と高い性能を示した.

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© 2010 公益社団法人 化学工学会
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