2010 年 36 巻 6 号 p. 576-581
イベント相関解析は,離散的に発生するイベントとその発生時刻からなるイベントログデータからの知識抽出法である.本論文では,エチレンプラントのイベントログデータにイベント相関解析を適用し,日々のプラントオペレーションに潜む連鎖アラーム,定型操作,不要なアラームおよび操作の抽出を試みた.操作イベントおよびアラームイベントをイベント間の類似度に基づきグループ化し,同一グループ内に含まれるイベント群の関係を詳しく分析した結果,個々のイベント情報からだけではわかりにくいイベント群の発生原因を的確に発見できることを示した.また,従来の個別のイベント発生頻度に着目した方法では削減対象とならなかった発生頻度の少ない不要イベントも抽出できることを確認した.イベント相関解析の結果をもとにイベント削減策の効果を定量的に評価できるため,費用対効果に基づく改善に役立つ.