2011 年 37 巻 2 号 p. 128-133
メタンの二酸化炭素による改質反応プロセスの強化,すなわち活性の向上と安定性の改善を目的として,そのモデルとなる,反応速度式の構築を検討した.実際の反応機構がなるべく反映される形の速度式を基本として,反応速度の分圧依存性から求めた.その結果,Ni/Al2O3触媒上での反応では,Langmuir-Hinshelwood型に類似した形式の反応速度式で表現でき,CH4に1次,CO2に−0.5次,COに−1次,H2に0次であることがわかった。これより,Ni/Al2O3触媒表面は,吸着COおよび吸着O(反応原料のCO2の解離吸着により生成)でかなり被覆されていることが示唆された。総括での反応速度式だけでなく,動作状態における触媒表面状態(吸着種中間体濃度など)もふくめた触媒反応プロセス強化の可能性が示された.