2013 年 39 巻 4 号 p. 368-371
非多孔性ガラス粒子を担体とする固定化アルコール脱水素酵素((R)-specific Parvibaculum lavamentivorans起源)をポリビニルアルコール (PVA) の存在下で調製し,気相型バイオリアクターにおける連続1-フェニルエタノン還元反応に供し,固定化酵素の反応活性,安定性ならびに立体選択性を実測した.反応活性は,PVA添加量10 mg/g-glass beadsで最大値に達し,無添加系と比較して約2倍高い値を示した.一方,安定性は,PVA添加量に大きく依存せず,ほぼ一定の値を示した.最適な反応条件として供給ガス中の水分活性0.9と反応温度303–313 Kを得た.また,本系では高い立体選択性(エナンチオ過剰率99%)を伴う反応操作が可能であった.