2016 年 42 巻 1 号 p. 8-14
共沸蒸留を伴うイソプロピルアルコール(IPA)脱水の省エネルギー化として膜分離法の導入が期待されている.本研究ではCHA型ゼオライト膜に注目し,連続的にIPAを脱水し濃縮する循環式連続脱水試験における濃縮時間短縮を目的に合成条件の最適化を行った.H2O/IPA分離係数の高い膜を用いて連続脱水を行うとIPA回収率は高いものの,濃縮に多くの時間を必要とした.そこで,膜性能が操作温度によって変化することに着目し,濃縮の途中で低温から高温への昇温操作を伴う二段法を提案した.その結果,濃度分極の低減によって濃縮時間の大きな短縮を達成できることを解析的かつ実験的に示した.