化学工学論文集
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移動現象,流体工学
散気管内外の流れに散気孔周方向角度および液相粘度がおよぼす影響
佐藤 稜林 公祐冨山 明男
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2018 年 44 巻 1 号 p. 59-66

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抄録

散気管内外流動および散気の均一性に散気孔の周方向角度および液相粘度がおよぼす影響を検討した.散気孔を一定間隔で5つ備えた散気管を用いて管内外流動を観察するとともに,各散気孔から流出する空気の流量(散気量)を測定した.散気孔周方向角度を0(鉛直上向き)–180°(鉛直下向き),総気相流量を1×10−4–7×10−4 m3/s,液相粘度を1–100 mPa·sの範囲で変化させた.その結果,以下の結論を得た.散気孔周方向角度の増加により,液相粘度によらず散気管内の液位は散気孔下端に制限される.そのため,いずれの液相粘度でも散気孔周方向角度を60°以上にすることで管内液位は液スラグ発生臨界液位以下となり,液スラグの発生を抑制できる.また,いずれの液相粘度でも,散気孔周方向角度を60–120°にすることで液スラグの発生が抑制されるため,散気を均一化できる.なお,150°以上では,散気量は均一であるが気泡が不規則に分裂する.また,いずれの液相粘度でも散気孔周方向角度が生成気泡径におよぼす影響は小さく,散気量が均一であれば生成気泡径も均一となる.

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© 2018 公益社団法人化学工学会
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