化学工学論文集
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材料工学,界面現象
撥液性表面を利用したスラリー状カプセル原料液からのミリカプセルの作製
武井 孝行高尾 莉央斉藤 卓也田尻 菜満吉田 昌弘
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2020 年 46 巻 1 号 p. 8-12

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抄録

本報では,撥液性表面を利用してスラリー状カプセル原料液からミリカプセルを作製することを目的とした.カプセルに内包する有用物質のモデル物質として選択したアセタミプリドとカプセル壁材モノマーであるトリメチロールプロパントリメタクリレート(TRIM)との混合液はスラリー状であり,それを撥液性表面に滴下しても球状の液滴が得られず,結果として球状のカプセルを作製できなかった.そこで,アセタミプリドの良溶媒であり,かつTRIMと相溶性を示す揮発性有機溶媒ジクロロメタン(DCM)をそのスラリーに加えることで均質溶液を得た.その溶液を撥液性表面に滴下したところ,球状の液滴を作製できた.また,その液滴を静置することでDCMを蒸発除去し,それにより得られた球状スラリー液滴中のTRIMを重合させることで,球状のカプセルを作製できた.また,本法により,アセタミプリドを極めて効率よくカプセルに内包でき(内包効率>99%),その高い内包効率によりカプセルにアセタミプリドを高含有させることも可能であった.さらに,両親媒性物質であるポリエチレングリコール(PEG)を含むTRIMをカプセルに塗布後,それを固化させることでカプセルの外表面にコート層を形成したところ,コート層中のPEG濃度によりカプセルからのアセタミプリドの放出速度を制御できることを示した.

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© 2020 公益社団法人化学工学会
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