化学工学論文集
Online ISSN : 1349-9203
Print ISSN : 0386-216X
ISSN-L : 0386-216X
材料王学,界面現象
二枚貝の人工餌料としてのデンプンゲルマイクロカプセルの可能性評価
木許 花菜長副 聡片山 貴士小原 咲紀吉田 昌弘武井 孝行
著者情報
ジャーナル 認証あり

2025 年 51 巻 2 号 p. 35-41

詳細
抄録

本報では,二枚貝のマイクロカプセル型の人工餌料製造法確立のため,生物餌料に近い表面機械的特性を有する,ヒドロゲル状マイクロカプセルを用いて,グルコース残基による特異的な餌の取り込みの実証を目的とした.カプセル材料としてグルコース残基を持つデンプンとグルコース残基を持たないゼラチンを用いた.また,二枚貝の餌の認識には粒径も重要な要因であることが報告されている.稚貝が摂食可能である5–20 µmの粒径をとるように,カプセルサイズの均一化を行った.このカプセルを用いた給餌実験によって,グルコース残基を表面に持つデンプンゲルカプセルの方がゼラチンゲルカプセルよりも,二枚貝の鰓でより効率的に捕捉されることを定量的に示した.さらに,胃の組織切片の観察においても,デンプンゲルカプセルの方が顕著に胃の中に多く存在することが確認された.このことより,グルコース残基による特異的な餌の取り込みを実証できた.

著者関連情報
© 2025 公益社団法人化学工学会
前の記事
feedback
Top