本報では,二枚貝のマイクロカプセル型の人工餌料製造法確立のため,生物餌料に近い表面機械的特性を有する,ヒドロゲル状マイクロカプセルを用いて,グルコース残基による特異的な餌の取り込みの実証を目的とした.カプセル材料としてグルコース残基を持つデンプンとグルコース残基を持たないゼラチンを用いた.また,二枚貝の餌の認識には粒径も重要な要因であることが報告されている.稚貝が摂食可能である5–20 µmの粒径をとるように,カプセルサイズの均一化を行った.このカプセルを用いた給餌実験によって,グルコース残基を表面に持つデンプンゲルカプセルの方がゼラチンゲルカプセルよりも,二枚貝の鰓でより効率的に捕捉されることを定量的に示した.さらに,胃の組織切片の観察においても,デンプンゲルカプセルの方が顕著に胃の中に多く存在することが確認された.このことより,グルコース残基による特異的な餌の取り込みを実証できた.