化学工学論文集
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各種石灰石粒子から熱分解生成されたCaO粒子のSO2に対する反応性の比較
湯沢 恩架谷 昌信
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1984 年 10 巻 3 号 p. 300-307

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抄録

FBCの排ガス脱硫用石灰石の原石種選定に対する基礎資料を得る目的で, 種々の石灰石から熱分解生成されるCaO粒子のSO2に対する反応性を, 反応温度, 700~1100℃, 試料粒径, 5~1000μmの実験条件下で, TGAを用い比較検討した.その結果,
dp=5μmの極微粒子を用いた場合, 反応は大略化学反応律速下で進行し, 同時に, 用いた石灰石種間には, SO2に対する基礎的反応性の相異はほとんど認められなかった.
dp≧300μmの粒子を用いた場合には, CaO粒子内空隙容積は熱分解温度の上昇と共に減少するが, とくに, さんご礁石灰石 (CRR) から熱分解生成される粒子内空隙容積は, 用いた他の石灰石に比し, 著しく高い値を示した.
総括反応速度に与える空隙拡散抵抗の影響は, 粒径増大に伴い顕著となるが, 試料CaO粒子内空隙容積に強く依存する。すなわち, 原石種および熱分解温度によりこの影響は異なる.この結果, CRRから熱分解生成されたCaO粒子のSO2吸収容量が最大を示した。

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