抄録
AOT/イソオクタンを用いた逆相ミセル系において, ミセル粒径分布の定量化, タンパク質のミセル内への可溶化モデルについて検討した.さらにこのモデルに基づき, タンパク質混合物の相互分離について実験的に検討した.
ミセル粒径分布は, ミセル相AOT濃度によらず, 水相塩濃度により決まる含水率によって相関できた.またタンパク質のミセル内への溶解特性は, ミセル粒径分布に基づき, 界面に吸着したタンパク質が, それより大きいミセルと衝突することによって, 可溶化されると仮定する簡単なモデルにより, 定量化することができた.またミセル-タンパク質間の静電的な相互作用とミセル粒径分布との関係についても検討した.さらに, このモデルの応用として, Lysozyme, α-Chymotrypsin, BSA の相互分離を行った.