1992 年 18 巻 6 号 p. 790-795
化学プロセス制御は, 大きな装置内の温度や濃度を希望する値に一致させる従来型の制御はもちろんのこと, 先端化学でしばしば現れる微小な対象の制御も今後発展させなければならない.本研究で検討したゾーンメルティングプロセスもその一例で, 試料管またはヒータの移動などの外乱に対して, 正確な温度分布を維持しなければならない.
本研究では, これまでのゾーンメルティング操作法とは異なり, 試料管やヒータを移動させることなく, 希望する温度分布を刻々実現する新しい操作法を検討した.すなわち, プロセスを分布定数系としてとらえ, 分布定数系における制御を適用した.シミュレーションおよび実験を行い, 新しいゾーンメルティングプロセスの実現可能性を示すことができた.