1992 年 18 巻 6 号 p. 827-831
スパン方向に対して異なる温度に加熱された水平平板上における流れ場では, 高温側と低温側で不安定度が異なった不安定成層が隣接して発達する.このように不安定度の異なった2つの不安定成層がスパン方向に共存して発達する共存密度成層乱流場において速度と温度を同時に測定し, 流れ場および熱輸送に関して検討した.平均速度分布から, 不安定度の強い高温側に上昇流が形成され, それに伴って不安定度の弱い低温側には弱い下降流が生じることがわかった.低温側で生じた下降流に不安定成層の効果が作用することにより, 低温側の弱い不安定成層内部において渦を伴う複雑な流れ場が形成されることがわかった.また, 測定によって得られた平均温度分布および乱流熱流束の分布から流れ場における熱の輸送機構を明らかにした.