1992 年 18 巻 6 号 p. 840-848
水平管型ホットウォールCVD反応器を用い, Zrのβ-ジケトン錯体を原料としてZrO2膜を合成した。反応温度823K~973K, 操作圧0.4kPa~24kPa, 全流量0~1500sccm, 酸素濃度0~50mol%の範囲内で, 成膜条件による膜色, 結晶形および成膜速度の相違を実験的に検討した.
気相反応速度定数のみを未知パラメータとして含む基礎方程式群の2次元数値計算をZr (DPM) 4を原料とする上記LPMOCVD系に適用し, 実測したすべての管軸方向成膜速度分布をフィットし得る唯一の気相反応速度定数を決定した.活性化エネルギーとして140kJ/mol程度の値が得られた.正PCVD装置を用いるこの種の解析では, 管内圧力損失が無視し得ないことを示した.