1992 年 18 巻 6 号 p. 849-855
粒子が剪断変形を受ける時の体積膨張効果を考慮した粒子流動モデル (応力~剪断歪速度関係式) に基づいて, 移動層の粒子速度分布と応力分布を推算する理論的手法を提案した.固気直交流式移動層および垂直円管内重力流れ移動層にこれを適用して理論の妥当性を確かめた.さらに, ガス流れを伴う垂直円管型移動層に理論を拡張したところ, 速度分布と応力分布は固気接触様式 (向流, 並流) に大きく依存し, 並流式では速度遅れの原因となる壁面摩擦力が著しく増大することが理論から予測された.モデルに含まれる体積膨張効果を表わすパラメータは, 粒子速度の関数であったが通気速度にはほとんど影響を受けないことが示された.