化学工学論文集
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複雑な特性を近似する伝達関数について
シルバニ マンスル稲垣 眞清水 忠明
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1992 年 18 巻 6 号 p. 862-866

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抄録

この論文は, 複雑な動特性を持つ系 (たとえば分布定数系など) を近似できる伝達関数として, 1次遅れと無駄時間を有する要素Kexp (-Ls) / (1+Ts) を2つ加えたものを提案している.まずこの伝達関数の性質を調べるため, ゲインと位相を計算しパラメータを調整することにより共振現象を実現できることを明らかにした.これは, ボード線図上でゲインと位相の勾配を大きく変える可能性のあることを意味し, その結果複雑な特性をよく近似できる可能性を有することを意味している.また, パラメータK, LおよびTを求める手段として周波数伝達関数の漸近的性質を述べている.この伝達関数の有効性を示すため化学装置の中でその動的性質が理論的にも実験的にも比較的よく研究されている熱交換器を対象にして数値実験を行っている.その結果, 共振を有する周波数特性をよくフィットできること, そして同じ装置のインデイシャル応答に対してもよくフィットできることを示している.

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© (社)化学工学会
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