ビール醸造における発酵槽内の流動挙動について実験的に検討した.直径1m, 高さ3.5mの実験用コニカル発酵槽を用いて二酸化炭素の発生速度, 局所ガス体積流束, 液の流動速度を測定した.また, 幅0.3m, 高さ13mの2次元コニカル発酵槽を用いて発酵に伴って発生する気泡の挙動, 気泡径分布, 気泡上昇速度, およびガスホールドアップ分布を測定した.
各々の測定結果から, 槽内の液の流動の推進力は, 二酸化炭素気泡が半径方向に偏在することによって生じる密度差であることが明らかになった.発酵槽の流動挙動は循環流理論を用いて説明された.