本研究では, ニトロセルロース/ニトログリセリンを主成分とするダブルベース固体推進薬の燃焼基本特性を解明するために, 種々の条件下で燃焼状態を直接目視観察するとともに, 燃焼速度ならびに燃焼生成ガス組成の測定を行った.さらに, 燃焼の前段階として起こる固相熱分解挙動を検討するために, ダブルベース固体推進薬粒子の熱重量測定を行った.その結果, 1) ダブルベース固体推進薬は低燃焼速度領域において不完全燃焼を起こすこと, 2) ダブルベース固体推進薬の燃焼は燃焼速度の増加とともに理論燃焼に近づくこと, 3) ストランド試料中にアルミニウム箔を挿入することにより燃焼速度を増大させ得ることが明らかとなった.