1992 年 18 巻 6 号 p. 887-893
チタンテトラエトキシドをエタノール溶液中で加水分解して水和酸化チタンの微粒子を生成させる実験を行い, 固体への転化率ならびに生成微粒子の形状と粒径の経時変化を求めるとともに, 固体微粒子を濾過により除去した溶液に対する小角X線散乱の測定を行った.そして非凝集の単分散微粒子生成に必要な原料濃度の条件ならびに分散剤 (hydroxypropylceHulose) 添加の効果を明らかにした.またChronomal解析に基づき, 微粒子生成機構とその速度論に関する考察を行い, 反応開始から極く短い時間にチタン原子多数を含む極微小の胚種が生成し, その後, 拡散律速下で胚種が一部の粒子上に析出して, その粒子が成長すると考えるモデルで本速度過程を説明した.また, 小角X線散乱データの解析により, 胚種径を算出した.