1993 年 19 巻 6 号 p. 1038-1043
球形気泡核のサイズ, すなわち初期気泡半径が, 均一過熱液中における気泡成長速度に及ぼす影響について, 数値解析を行った.過熱水中における気泡成長を例にとり, 慣性支配域および熱伝達支配域が網羅できるように, バルク液温度T∞=40~80℃, 過熱度ΔTs=5~20K, 初期気泡半径と臨界気泡半径の比γ=1.01~50の範囲に変え, 有限差分法による数値解を示した.実質的に重要性をもつγ≧2の範囲では, 表面張力の作用による気泡成長速度の抑制効果は無視できることがわかり, 過熱純液中における気泡成長速度を予測する無次元式を数値解から導いた.