化学工学論文集
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局所濃度測定用微小電極の感度
廣藤 祐史佐々木 之仁長瀬 洋一
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1993 年 19 巻 6 号 p. 971-977

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抄録

微小電極とこれによる濃度塊の検出感度を解析するために, 微小電極とこれと同心の球殻状およびリング状対極の間に球形の濃度塊が存在する場合の電界を数値計算した.
孤立した濃度塊が電極をかすめて通り過ぎるときの応答はスパイク状 (大きい塊), またはなだらかな山形 (小さい塊) で, ピーク値は低い.
濃度塊が電極の中心を覆って通り過ぎるようになるほど応答は鋭く立ち上がり, かつ平坦部がある.ピーク出力IMは濃度の非線形関数であり, また濃度塊の大きさの関数でもある.真の濃度はIMCとして求まる濃度よりも, かなり大である.一方, 背景濃度が相対的に高くなり, かつ相対的に大きい濃度塊が存在するようになる乱流混合の中期以降においては, ピーク値IMは小さいけれども濃度に正比例するようになる.従って濃度計測の信頼性は混合終期に向上する.

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